健康経営を求める企業の増加
かつては企業に駐在する産業保健師の役割は、健康診断を計画することや社内で具合が悪くなったり怪我をした社員への応急処置が主でした。
しかし、最近では「健康経営」を戦略とする企業が増えており、それに伴い産業保健師の配置を検討する企業も増えています。
これまでは産業保健師の求人は極端に少なく、就職や転職において競争率が高い職業として知られていました。しかし、今後は健康経営を考慮する企業が増えることにより、求人の増加が予測されています。
求められるのは経験豊かな産業保健師
これから初めて「健康管理室」を立ち上げようとしている企業は、社員が自分の健康に目を向け、気軽に相談ができる場所を設けることを目指しています。
このような企業の多くは、健康管理室や相談室の新規立ち上げ経験を持つ産業保健師を求める傾向が強く、特に経験豊富な産業保健師は転職が有利になるでしょう。
今はまだ、産業保健師として働くことができていない方も、このような経験を持つ産業保健師が転職することにより、市場が活性化され、新たなチャンスが出て来る可能性があります。
専門の知識やスキルだけではなく、一般企業に求められるパソコンスキルや語学力なども身に付けておくと効果的です。
求められる産業保健師像
健康相談室の立ち上げ経験を持つ保健師が優遇されるであろう事実はありますが、だからと言って立ち上げ経験の有無だけで採用が決まるわけではありません。
産業保健師を採用する企業は、より社員のためになる産業保健師を採用したいと考えています。具体的に、どのような産業保健師が求められているのか？をチェックしてみましょう。
- 自分で考えて計画できる行動力
- アイディアを周囲に分かりやすく提案できる能力
- 状況のニーズにあった企画ができること
- 計画したプランを着実に実行できる能力
- 現在の状況を分析できるスキル
- 現在の状況に必要なものを見出せる洞察力
- 改良に目を向けることができる柔軟性
産業保健師は、企業の一員となり、企業と連携しながら、そこで働く社員には何が必要なのか？企業としてどのように取り組めば良いのか？を分析し、的確な計画を提案する必要があります。
また、どのような計画を立てているのか？それを実行するためには何が必要のか？を周囲に知らせる状況もあります。
状況を分かりやすく提示できるコミュニケーションも産業保健師に必要なスキルだと考えられます。
