産業保健師の離職

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働きやすい産業保健師と離職

離職

 

産業保健師は離職率が低いため、産業保健師として転職するためには、かなりの覚悟が必要だとされています。そもそも看護師と比べて、求人数が少ないうえに、病院勤務と違って夜勤がなく、さらに残業も少なく有給休暇なども取得しやすいため、身体的な負担もあまりありません。

また、決められた時間内で働くことができることもあって、育児や介護をしている人も家庭と両立させやすいなどのメリットがあり、就職するとなかなか離職しません。

そのため、産業看護師として転職を実現するためには、看護師や他の一般職種よりも時間が掛かります。

しかし、このように人気の高い産業保健師の離職率が年々向上しています。その背景には、どのような理由があるのでしょうか。

保健師助産師看護師法の改定

これまでは看護師の資格を取得し、看護師としての実務経験を得た後に、保健師養成学校で1年間学ばないと産業保健師になることはできませんでした。

しかし、2009年に保健師助産師看護師法が改定されてからは、4年間保健師養成学校に通うことで、保健師として働くことができるようになりました。

そのため、以前は病院などで看護師としての勤務経験を持つ人が産業保健師として働いて来ましたが、近年は実務経験がないまま、産業保健師として働く人も増えています。

過去に看護師としての勤務経験がある人にとって、産業保健師の仕事は勤務環境に恵まれているように感じます。しかし、看護師としての実務経験なく、最初から産業保健師として働く人にとっては、仕事の難しさを感じ、離職していく人が増えているようです。

基本的には1人で進める仕事

産業保健師は、基本的に1人で計画を立てて仕事を進めていく仕事です。

そのため、スケジューリングが苦手な人や孤独を感じてしまう人にとっては、苦痛に感じる場合もあります。相談できる人がいないこと、または一緒に達成感を共有できないことなど、常に1人で行うことで、働く喜びを見出せないのかもしれません。

看護師から産業保健師に転職する人の中には、人間関係に疲れて、産業保健師に転職する人も多くいます。そのような人にとっては、黙々と1人で仕事を進める環境は精神的な負担が少なく、気疲れもしないため、離職しない人が多かったのですが、これもまた看護の現場経験がないゆえの傾向でしょう。

産業保健師としての「やりがい」

産業保健師の主な仕事は、企業で働く社員の健康状態を把握するための検診の計画や、社員が健康で仕事に打ち込むことができるための健康促進イベントの企画などです。

しかし、実際の仕事内容は、産業医のアシスタントのような仕事内容が多く、そこに働き甲斐を見出すことができずに離職してしまう人もいるようです。

どのような職場でも「働き甲斐」は自分の考え方で変わるもの。狭き門である産業保健師として働くことは難しいので、そのチャンスを簡単に手放さないようにしましょう。

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