ここでは、企業の医務室で働く保健師・看護師さんの役割についてあらためて見てみます。産業保健師さんの役割の最も大事な仕事は会社で働く社員さんの健康管理、特に予防です。そのために
・健康診断
・健康相談と保健指導
・労働環境の点検と改善
などを行います。大きな流れとしては定期的な健康診断の結果を基準に、その中で問題があったり疾病の兆候が出ていたり不安のある社員さんと健康相談の面談を行います。健康診断は過去からの経緯をきちんと踏まえて、本人の思考や働き方を踏まえた上でアドバイスをする必要があります。
また、1対1での健康相談だけでなく、集団に対しての保健指導も重要です。メールや資料ベースで案内を出すこともありますし、セミナー形式で健康に関する研修を行ったりもします。ですので健康管理に関する知見だけでなく、ドキュメントの作成能力やプレゼン能力も必要になる場合があります。
更に、各事業所や部署を訪問して業務の中で健康に害を与えそうな職場が無いかをチェックします。特に工場や物流拠点などの体を動かす作業現場では事故のリスクは無いか、体に無理のある業務になっていないかをチェックする必要があります。
以上が最も重要な社員さんの健康管理についての業務で、病気の状態を回復する病院での役割とは異なり、予防ですのでいわゆる保健師らしい働き方と言えると思います。健康診断に関する業務以外は期限が決まっている仕事は少ないですので、自主的に企画し、動いていくことも求められます。